EVERSMILE(エバースマイル)
映画の紹介文、コメント、ショートレビュー的な雑文を書いています。何かの参考になれば幸いです。
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原題:Monsieur Ibrahim et les fleurs du Coran
監督:フランソワ・デュペイロン
原作:エリック・=エマニュエル・シュミット
脚本:フランソワ・デュペイロン 、エリック・=エマニュエル・シュミット
出演:オマー・シャリフ、ピエール・ブーランジェ、ジルベール・メルキ、イザベル・ルノー、イザベル・アジャーニ
製作:2003年、フランス
上映時間:95分
『イブラヒムおじさんとコーランの花たち 』公式サイト
『イブラヒムおじさんとコーランの花たち 』を上映している映画館は?

ストーリー
フランス、パリのブルー通りのアパートでユダヤ人の少年モモ(ピエール・ブーランジェ)は父と二人暮しで、遠い昔に母親とは別れてしまっていた。モモはアパートの向かいにあるイブラヒム(オマー・シャリフ)の個人商店でよく万引きをしていたが、ある日イブラヒムは意外な一言をモモに発する。

レビュー
父と一緒に暮らしてはいたが少年モモは孤独だった。また小さな商店を営んでいたがイブラヒムおじさんもまた孤独だった。孤独という共通点が二人を強力に結びつける。それは運命で決まっていたかのようだった。

イブラヒムおじさんはさりげなくいろいろな教義的なメッセージをモモに語る。その言葉は私たちが日常生きていくうえでもヒントとなるような気がする。例えば、「足が痛むような靴は替えればいい。足は取り換えがきかん」という言葉に少しハッとさせられる。

「宗教は考え方だよ」と言うイブラヒムはとてもおおらかだ。本来宗教はより良く生きるために存在しているのだと改めて思わせる作品でもある。イブラヒムおじさんとモモが出会ったことによってきっと二人は幸せをみつけたんだろうなあ。(2005年2月19日シネツイン1で鑑賞)

catfood.jpg

追記(注意:ネタバレあります。)
1960年代のパリの猥雑な風景や流れる音楽もなかなかよかった。モモはことあるごとに父から「お前の兄はよかった」と言われたり、そしてそんな父がある日家出したりとモモのその孤独ぶり痛ましい。極めつけは母がモモと対面してもモモを母は息子と気付かない。

宗教も人種も違う二人が養子縁組をする。さんざんいろんなところで手続きをことわられたが、ついに引き受けてくれる人が見つかった時の二人の喜びが心地よかった。お金なんて無いよと言っていたイブラヒムおじさん。さっとキャッシュで車を買った時、そんなにお金があったんだと少し驚いてしまった。

こちらイブラヒムおじさんとコーランの花たち@映画生活にもレビュー・批評・感想があります。


映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』DVDやサントラはこちらです。

イブラヒムおじさんとコーランの花たち DVD
イブラヒムおじさんとコーランの花たちこのDVDの発売予定日は2005/05/13です。ただいまリンク先のamazonでは20%オフで予約受付中です。
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「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」サウンドトラック
サントラ ティミー・トーマス オリビエ・デパックス・エ・レ・ギャンブラーズ サム・ザ・シャム&ザ・ファラオス
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」サウンドトラック映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』のサウンドトラック(サントラ)です。60年代のフランスのティーンたちが夢中になったというアメリカン・ポップスやロックンロール、フレンチ・ポップスが収録されています。この映画を象徴する曲、"Why Can't we live together "はいいですね。
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原題:Bad Santa
監督:テリー・ツワイゴフ
製作総指揮:イーサン・コーエン、 ジョエル・コーエン
脚本:グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
音楽:デヴィッド・キティ
出演:ビリー・ボブ・ソーントン、トニー・コックス、ローレン・グレアム、バーニー・マック、ジョン・リッター
製作:2003年、アメリカ
上映時間:91分
『バッドサンタ』公式サイト
『バッドサンタ』を上映している映画館は?

ストーリー
飲んだくれで女好きのウィリー(ビリー・ボブ・ソーントン)は、クリスマスシーズンになるとデパートでサンタクロースの格好をして子供たちにプレゼントを尋ね一緒に記念写真を撮っていた。しかしそれは表向きの顔であり、クリスマスシーズンのデパートで金庫破りを相棒のマーカス(トニー・コックス)と共に毎年繰り返していた。

レビュー
サンタクロースに扮する飲んだくれのウィリーは子ども嫌いで女好きで口は悪いといった具合に普通のサンタクロースとはかけ離れた男で、裏の顔は金庫破り。バーで哀愁を漂わせ酒を飲むサンタにおそらく多くの人が驚いてしまうに違いない。

私もそんなサンタに面食らってしまったひとりだ。やさしいにこやかなサンタクロースの雰囲気はこれっぽっちもない。クリスマスなんてくだらないなあと考えている人に最適な作品かもしれない。それにしてもあんな勤務態度でよくクリスマスイベントで雇ってもらえるなあ。おそらくお客からは苦情がいっぱいデパートに寄せられたであろう。

そんなろくでなしサンタの運命はある日いじめられっ子の質問好きの少年(ブレット・ケリー)に出会ってから変わっていく。そして少年がプレゼント、木彫りのピクルスをウィリーに渡した時、その喜びを噛み締めるようなウィリーの表情がよかった。このバッドサンタのストーリー、最後はあっと驚く展開で観客には幸福感をプレゼント。ちょっと自暴自棄な気分なったあなたにお勧めな映画。残念ながら純真な子どもと一緒に観る映画ではないかもしれない。(2005年2月19日サロンシネマで鑑賞)

こちらバッドサンタ@映画生活にも『バッドサンタ』のレビュー・批評・感想があります。

原題:Veronica Guerin
監督:ジョエル・シューマカー
製作総指揮:ネッド・ダウド、チャド・オマン、マイク・ステンソン
脚本:キャロル・ドイル、メアリー・アグネス・ドナヒュー
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:ケイト・ブランシェット、ジェラルド・マクソーレー、シアラン・ハインズ、ブレンダ・フリッカー、バリー・バーンズ
製作:2003年、アメリカ
上映時間:98分
『ヴェロニカ・ゲリン』公式サイト
『ヴェロニカ・ゲリン』を上映している映画館は?

ストーリー
アイルランド、ダブリンでサンデー・インディペンデント紙の記者だったヴェロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)。彼女はある街で子供たちが麻薬に溺れている光景を目の当たりにする。そのような光景に胸を痛めた彼女は麻薬犯罪の実態を暴こうと独自の取材を開始する。

レビュー
この映画作品は1996年6月26日に凶弾に倒れたヴェロニカ・ゲリンの実話を基に製作された。ヴェロニカ・ゲリンを演じるケイト・ブランシェットの記者役はとても颯爽としている。そしてヴェロニカは一児の母親でもあった。母としてあるいは妻としてわれわれに見せるヴェロニカの姿はとてもチャーミングで優しいものだった。

さわらぬ神にたたり無し(神というよりは悪魔だが)とでも言わんばかりの一部の市民の態度にも挫けず、暴力的な犯人グループの抵抗にも屈せず、そして麻薬犯罪組織の記事を書くことを止めて欲しいという夫(バリー・バーンズ)の懇願にも応じずヴェロニカは決して実態解明を止めなかった。そして、ヴェロニカの母(ブレンダ・フリッカー)だけがすべてを理解したような眼差しでヴェロニカを見つめていたのが印象的だ。

観客の何人かはこう思うかもしれない。あれだけ麻薬組織のボス、ジョン・ギリガン(ジェラルド・マクソーレー)にボコボコに殴られたときに手をひけば良かったのにと。正直なことを言えば私もそう思う。夫や子供、そしてヴェロニカと関わる周りのすべての人たちの気持ちを考えるととても辛い最期をヴェロニカは招いてしまった。その後ダブリン市民は蜂起して麻薬密売組織を追い出した。ダブリンの子供たちを麻薬から遠ざけたヴェロニカの勇気と死は決して無駄ではなかった。これからもダブリンで大人たちが子供たちを麻薬に溺れさせないように願う。(2005年2月16日サロンシネマで鑑賞)

こちらヴェロニカ・ゲリン@映画生活にも『ヴェロニカ・ゲリン』のレビュー・批評・感想があります。


『ヴェロニカ・ゲリン』のDVDや本、サウンドトラックなどあります

ヴェロニカ・ゲリン 特別版 DVD
ヴェロニカ・ゲリン
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ヴェロニカ・ゲリン
エミリー オライリー Emily O’Reilly 佐治 多嘉子 小林 薫
この本では、映画の背景となった事件が詳しく描かれていて、彼女の死の責任など映画では描かれていない部分が掘り下げられています。
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Veronica Guerin (Original Soundtrack)
Harry Gregson-Williams Harry / Horn, Trevor / Marsh, Hugh / Ca Gregson-Williams Harry / Marsh, Hugh / Cassidy, Patrick Gregson-Williams Kim Carroll
Veronica Guerin (Original Soundtrack)『ヴェロニカ・ゲリン』のサウンドトラック(サントラ)CDです。こちらは輸入盤になります。アイルランドテイスト溢れる音楽が魅力的。リンク先のamazonで少し試聴できます。
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原題:Pieces of April
監督・脚本:ピーター・ヘッジズ
製作総指揮:キャロライン・カプラン、ジョナサン・セリング、ジョン・スロス
音楽:ステフィン・メリット
出演:ケイティ・ホームズ、パトリシア・クラークソン、オリヴァー・プラット、デレク・ルーク、アリソン・ピル
製作:2003年、アメリカ
上映時間:80分
『エイプリルの七面鳥』公式サイト
『エイプリルの七面鳥』を上映している映画館は?
『エイプリルの七面鳥』ケイティ・ホームズ独占インタビュー

ストーリー
感謝祭の日の朝、ニューヨークに住むエイプリル(ケイティ・ホームズ)は感謝祭のディナーの準備に取り掛かる。エイプリルは故郷の母親ジョーイ(パトリシア・クラークソン)とは不仲で疎遠だった。しかし母親が癌で余命幾ばくもないと知り、家族をもてなすために初めて七面鳥のローストなどの手料理を準備し始める。そしてエイプリルは七面鳥をオーブンで焼こうとしたが、オーブンは故障していた。

レビュー
家族と離れてニューヨークで暮らすエイプリルが家族をもてなすために感謝祭のディナーを作る。不器用だけど一途に料理を作る健気でかわいいその姿に声援を送りたい。エイプリルの母親はエイプリルのことを出来の悪い不良娘と言うけれど、私にはそんな風には見えない女の子だった。エイプリルの怪しい包丁さばきはひやひやものだけど、私が一人暮らししたころもあんな風に怪しかったかもしれない。

感謝祭はアメリカ人にとってクリスマスの次に大きなイベント。そのイベントを通じてエイプリルはきっと今までのことをわびて母に感謝の意を示そうと思っていた。感謝祭のディナーにはエイプリルなりの感謝の気持ちがいっぱいいっぱい詰まっていて、見ていてとてもとても幸せな気分になる。

日本全国の解りあえない母と娘。そんな親子がこの映画を観たら明日からはきっと通じ合える。そんなふうに思わせてくれる映画。エイプリルの小粋なファッション、しみじみと心に響くサウンドが魅力的で映画にぴったりだ。(2005年2月13日サロンシネマ1で鑑賞)

追記(注意:ネタバレあります。)
映画では感謝祭のことをあまり知らない中国系住人にエイプリルは感謝祭の起源を話していた。その感謝祭については手短にこちらのサイト、アメリカ生活ドットネットにまとめられている。

最後、えっ!?みんなレストランで食事してエイプリルをほったらかしにするのかと思ったらちゃんと最後はみんな一緒にディナーとなってひと安心。しかも、もう家族は来ないと思ってエイプリルはアパートの住人を招待していたからずいぶんと賑やかでハッピーな感謝祭となり、私は温かい気持ちで一杯だった。

こちらエイプリルの七面鳥@映画生活にも感想・レビューなどあります。


映画『エイプリルの七面鳥』のDVDとサウンドトラックの紹介

エイプリルの七面鳥 DVD
エイプリルの七面鳥発売予定日は2005/04/21。ただいまamazonにて20%オフの販売価格で予約受付中です。
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Pieces of April サウンドトラック
Original Soundtrack
Pieces of April映画『エイプリルの七面鳥』で使われている素敵な音楽が詰まった30分ほどのサウンドトラックです。MAGNETIC FIELDSのStephin Merrittが手掛けています。リンク先のamazonで試聴可。
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原題:Buyuk adam kucuk ask
監督:ハンダン・イペクチ
脚本:ハンダン・イペクチ
出演:シュクラン・ギュンギョル、ディラン・エルチェティン、フュスン・デミレル、ユルドゥス・ケンテル、I・ハック・シェン
製作:2001年、トルコ
上映時間:120分
『少女ヘジャル』公式サイト
『少女ヘジャル』を上映している映画館は?

ストーリー
弾圧により両親を亡くした5歳のクルド人少女ヘジャル(ディラン・エルチェティン)は、エブドゥ(I・ハック・シェン)に連れられてイスタンブールの親戚へ預けられる。ところが武装警官の襲撃に遭い親戚はヘジャルの目前で殺され、運良く難を逃れたヘジャルは元判事の老人ルファト(シュクラン・ギュンギョル)に見つけられ匿ってもらうこととなる。

レビュー
トルコ国内のクルド人問題を背景に元判事と少女ヘジャルの交流が描かれる。このような民族問題を扱った映画は見ていて複雑な気分になったりする。もちろんこの映画もその例外ではなく、いきなりトルコ警察がクルド人の家にやってきて銃撃を始めたりするシーン、クルド語を嫌う元判事ルファト、クルド人居住地区などを見ると暗く複雑な気分にさせられる。

5歳の女の子ヘジャルは過酷な環境下で育った。常に警戒しているような彼女の表情が印象的だ。もちろんクルド語の通じない人に囲まれているためそうだったのかもしれない。クルド語を話す家政婦サキナ(フュスン・デミレル)には警戒心を解いて穏やかにかわいらしい表情を見せる。はじめはヘジャルとルファトは仲良くなかったが、次第に本当のおじいちゃんと孫娘みたいになっていく。そんな二人の交流が観客の心を和ませる。

ところで、トルコは公式にそもそもクルド人の存在を認めていない。ヘジャルとルファトが交流を深めていったようにクルド人とトルコが良好な関係を築けるようになることを願う。クルド人虐待場面が過激であるとトルコ政府は一時上映禁止に持ち込んだこの映画だが、トルコ国内で10万人が見たというからもしかしたらそういう時代はゆっくりと近づいていっているのかもしれない。(2005年2月12日サロンシネマ1で鑑賞)

こちら少女ヘジャル@映画生活にも感想・レビューなどあります。

参考:クルド人問題研究
参考:2003年アジアフォーカス福岡映画祭/ハンダン・イペクチ作品『少女ヘジャル』 Hejar

監督:高橋伴明
原作:那須田稔、岸川悦子
脚本:高橋伴明
音楽:梅林茂
出演:田中裕子、窪塚俊介、黒沢あすか、池脇千鶴、遠山景織子
製作:2004年、日本
上映時間:114分
『火火(ひび)』公式サイト
『火火(ひび)』を上映している映画館は?

ストーリー
神山清子(田中裕子)は穴窯で自然釉を再現しようと挑戦する毎日を送っていた。夫が愛人を連れて離婚し清子は赤貧の生活を送ることとなるが、それでも必死に自然釉の成功をあきらめずに追及する。そしてついに清子は自然釉で作品を完成させる。

レビュー
物語は前半と後半に分かれる。前半は神山清子が穴窯で自然釉を再現させるまでで、後半は清子の息子、賢一(窪塚俊介)が慢性骨髄性白血病を発病し、清子が息子のための骨髄提供者を探そうと奔走し骨髄バンク設立の動きに大きな役割を果たしていく模様が描かれる。

この映画のモデルとなった神山清子自身の自宅と工房が撮影用のセットとして提供され、また彼女は作品中に登場する陶芸作品を作り提供したという。穴窯の燃える火もCG合成ではなく本物だ。本物に囲まれて撮られたこの作品は味わい深い画面で観客を圧倒する。そして田中裕子の演技はまるで神山清子自身が乗り移ったかのような熱演だ。

神山清子のただならぬ生き方に凄まじいものを感じずにはいられない。自然釉のことにあれだけ打ち込む熱意は窯の温度よりも熱そうだった。白血病になる息子賢一を演じる窪塚俊介の演技も初映画出演とは思えないほど見ごたえがある。

息子や娘たちに対して愛情の薄そうな清子だったが、賢一が白血病になってからは並々ならぬエネルギーで息子のために必死になっていく。清子流の芯のある愛情深さで賢一と共に闘病する姿はよく演じられている。特に賢一の母への最後の言葉はきつく、涙を滅多に流さない私でも泣いてしまった。何度も観たい作品では決してないが一度は観ておくべき作品である。(2005年2月10日広島宝塚3で行われた中国放送試写会にて鑑賞)

追記(注意:ネタバレあります。)
とにかく神山清子のキャラクターは強烈で、なかなかこんな人いない。それから、燃える火、釜の中の様子、焼きあがった作品の一つ一つが画面に映って興味深いものがあった。

もうほとんど文句のつけようがない作品と感じたが、清子に弟子入りした牛尼瑞香(黒沢あすか)がうっかり茶碗を落として叫ぶシーンは無理に突っ込んだような気がする。「形あるものはいつか壊れるんや。でも、心が壊れたら何もつくられへん」(うろ覚え)といったようなセリフはいいだけに残念。

賢一の最期の場面は痛烈で「かあさん、27年育ててくれてありがとう」の言葉は忘れられない。最後の最後のシーンの窯の中の二つの焼き物は何だったのだろうかと思っていたけど、どうやら骨壷のようだ(参照先:映画「火火」を応援する 掲示板)。この映画の観客の満足度はかなり高かったようで、試写会であったがエンドロールが始まって席を立つ人の数は比較的少なかった。

私はこの映画作品『火火(ひび)』を試写会で観た。そこで上映に先立って、広島に初めて来たという高橋伴明監督の挨拶があった。

高橋監督は映画の原作の本『母さん 子守歌うたって』のことを話し、神山さんのことを「ただものではない」と話してくれた。若かりしころ信楽を訪れたRCCの山原玲子アナウンサーが監督に「広島のお好み焼きはいかがでしたか」と尋ねると、監督は「広島のほうが、東京の(広島風お好み焼き)よりボリュームがありますね」と答えると、山原アナは「美味しさも広島の方がいいと言ってくださいよ」というような会話をしていた。打ち合わせどおりでしょうか。

こちら火火@映画生活にも『火火』のレビュー・批評・感想などあります。


映画『火火(ひび)』の原作本の紹介

母さん 子守歌うたって―寸越窯・いのちの記録
那須田 稔 岸川 悦子
母さん 子守歌うたって―寸越窯・いのちの記録こちらはこの記事本文中でも触れた映画の原作本「母さん 子守歌うたって―寸越窯・いのちの記録」です。
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原題:The Notebook
監督:ニック・カサヴェテス
脚本:ジャン・サーディ、ジェレミー・レヴェン
音楽:アーロン・ジグマン
出演:ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジーナ・ローランズ、ジェームズ・ガーナー、ジョーン・アレン
製作:2004年、アメリカ
上映時間:123分
『きみに読む物語』公式サイト
『きみに読む物語』を上映している映画館は?
『きみに読む物語』ライアン・ゴズリング独占インタビュー(FLiXムービーサイト)

ストーリー
療養施設で生活する年老いた婦人(ジーナ・ローランズ)にある老人男性(ジョーン・アレン)がひとつの物語を読みはじめる。その物語は、1940年の夏、アメリカ南部の田舎町、シーブルックでのお話。良家の令嬢アリー(レイチェル・マクアダムズ)はシーブルックで休暇を家族と過ごしていた。ある日、アリーは地元の青年ノア(ライアン・ゴズリング)と出会う。はじめはノアにつれない態度のアリーだが、ノアの積極的なアプローチを受けていつしかふたりは時間を共にするようになる。

レビュー
1940年、ひと夏の燃え上がる情熱的な恋愛をしたふたりの若者の物語。若さに満ち溢れたふたりの愛し合っている姿がとてもよく描かれている。どちらかといえば言葉で愛を表現するノア、そして言葉よりはカラダで愛らしく喜びを表現するアリー。ふたりの自然で活力ある演技は恋愛のエネルギーを十分に感じさせてくれる。

この作品のもう一つのシーンは高齢の二人の男女の場面だ。女性はアルツハイマー病で過去の記憶の一切を無くしてしまっていた。女性の記憶をなんとか呼び戻そうと必死になる男性の姿がまた悲しいものである。

ふたりの若い男女のストーリーと老いた男と女の場面から成るこの作品は物語の終盤で見事に融合する。観客の胸に単なる昔話に過ぎない恋愛話が喜びそして切なさを一緒に運ぶものへと変化する。

レイチェル・マクアダムズとライアン・ゴズリングによる演技は恋愛力全開。突拍子もないアプローチからはじまったラブストーリーはとてもとても魅力的なものに仕上がっている。

私は老人場面の最後に無理やりなものを感じる。でも、これはひとつの物語なのだからもし本当にそうだったらいいでしょうというひとつの提示なのだ。多くの人がこの映画に共感し涙をながし感動することだろう。(2005年2月5日ワーナーマイカルシネマズ広島で鑑賞)

追記(注意:ネタバレ含みます。)
この作品が観客を惹きつける理由の一つはいろいろとツッコミたくなるノアとアリーの恋愛にあるだろう。特にアリーがノアのことは忘れてロンと婚約をしたのに、再びノアと一緒になる点については彼女のわがままの極みだろう。でも恋愛ぐらいわがままじゃないとなあとも思うのだ。だいたい素直でまじめなカップルの恋愛なんて面白みに欠ける。

別にアリーは打算でお金持ちのロンと一緒になろうとしたのではないと思う。突拍子もないアプローチはノアと同じで、きっとアリーはロンの中にノアを見ていたような気がする。そして、アリーはたまたまノアの載った新聞記事を見つけ、アリーの脳内に昔の鮮烈な思い出が蘇えった。

どうしてアリーはノアに手紙を書かなかったのかという気もするが、アリーはノアから手紙がくると思っていたのに、何日間もノアからの手紙がなかったから怖くてアリーは手紙が書けなかったのだろう。実際のところあっさり手紙を書いてしまうとストーリー展開が大幅に変わってしまうけれど。

「(ノアとロンどっちを選ぶかについて)わたしどうしたらいいかわからない」とアリーはノアに言ったけれども、最後はアリーがしっかりと自分の意志で人生を決定するところが良かった。トランクを持つ彼女の表情はとてもすがすがしかった。

古い農家でふたりがはじめて性体験に及ぼうとするシーン。ふたりは交互に身に着けている衣服を脱ぎ、お互いの姿を目に焼き付けるシーンはほほえましい。そしてことに及ぼうとしてアリーが緊張しておしゃべりになり「あなたはどうしてそんなに落ち着いているの?」と笑いながら言うところがかわいらしい。

若き日のアリーは数十年間の時を経てアルツハイマー病を患っっていた。そして、隣にいるノアのことが誰かわからないという事実は彼にとってとても辛いことに違いなかった。若き日のノアのひたむきさは老年時代でも発揮し数分間ながらアリーの記憶回復の奇跡は訪れる。最後、二人が亡くなる前ベッドで二人は目を合わせた。アリーは隣の男がノアだとわかっていたんだよな、きっと。

こちらにも映画『きみに読む物語』のレビュー・批評・感想があります。
FOR BRILLIANT FUTURE
blog@Junkie Surfer Notes
話題のナレッジベース
I LOVE CINEMA +
xina-shinのぷちシネマレビュー?
*結婚私の場合*りんのにっき
Groovy Groovers
きみに読む物語@映画生活


映画『きみに読む物語』のDVDや本、サウンドトラックなどのご案内

きみに読む物語 DVD
きみに読む物語 この映画『きみに読み物語』のDVDの発売日はまだ決まっていませんが、お気に入りでしたらリンク先のamazonから発売日のお知らせメールを受け取ることもできます。
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きみに読む物語 原作翻訳本
ニコラス・スパークス
きみに読む物語映画『きみに読み物語』の原作本「The Notebook 」(ニコラス・スパークス著)の翻訳本です。「メッセージ・イン・ア・ボトル」でも知られるニコラス・スパークスは1996年に「The Motebook 」を発表後、人気作家となりました。映画の感動をもう一度!
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The Notebook 原作本
Nicholas Sparks
The Notebookこちらは原作本「The Notebook 」の原作ペーパーバックです。比較的平易な英語で書いてあるそうなので、ペーパーバック初心者にもオススメだとか。私も試して見たいなあと思っています。ハードカバーエディションもあります。
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The Notebook (Original Motion Picture Soundtrack)
Benny Goodman Dan Higgins Count Basie Sammy Fain
The Notebook (Original Motion Picture Soundtrack)映画『きみに読み物語』のオリジナルサウンドトラックです。こちらは輸入盤になります。リンク先では少し試聴もできます。
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原題:The Phantom of the Opera
監督:ジョエル・シューマカー
脚本:ジョエル・シューマカー、アンドリュー・ロイド=ウェバー
音楽:アンドリュー・ロイド=ウェバー
出演:ジェラード・バトラー、エミー・ロッサム、パトリック・ウィルソン、ミランダ・リチャードソン、ミニー・ドライヴァー
製作:2004年、アメリカ/イギリス
上映時間:140分
『オペラ座の怪人』公式サイト
『オペラ座の怪人』を上映している映画館は?
『オペラ座の怪人』監督&プロデューサー独占インタビュー

ストーリー
19世紀後半、パリのオペラ座では、オペラ座に潜む噂の怪人ファントムによる怪事件が起きていた。クリスティーヌは「音楽の天使」によるレッスンを受け、遂には彼女がオペラ座のプリマとなる日が来る。幼なじみのラウルはクリスティーヌに惹かれ愛を告白するが……。

レビュー
アンドリュー・ロイド=ウェバー版のミュージカル「オペラ座の怪人」を基にして製作されている。初上演が1986年のそのミュージカルがついに映画化された。私は本場のではなく劇団四季の日本語ミュージカルなら一度だけ観たことがあるので、映画版はどのようなものになるのだろうと興味を持っていた。

役者がスクリーンに大きく映るところが映画でのいいところだなと感じた。舞台だと双眼鏡やオペラグラスなどが必要であるが、映画ではその必要が無いのがいいところ。また、舞台は一万円ほどかかるが、映画は正規料金で1800円なので舞台の五分の一以下の値段で観てもらうことができる。アンドリュー・ロイド=ウェバー自身は多くの人にこの作品を観てもらい、この作品を永久に残したいと語っている。

ストーリーはヒロインのクリスティーヌを巡るファントムとラウルによる争奪戦がメインである。このクリスティーヌにファントムとラウルは翻弄される。陶酔しそうな甘美な歌曲と華麗な衣装やセットが観客を別世界へといざなう。そしてファントムとラウルの恋のさや当ての結末はやはり切ない。

この映画に満足したという人で、まだ舞台版の『オペラ座の怪人』を観ていないという人はには、ぜひ舞台もお薦めしたい。映画もなかなか素晴らしいけど、舞台(劇団四季だが)も素晴らしかった。ただ残念なのは音量が映画館では少なかったことだ。(2005年2月1日ワーナーマイカルシネマズ広島で鑑賞)

追記(注意:ネタバレ含みます。)
やはりクリスティーヌは優柔不断で、特にファントムとの別れのシーンはひどかった。わざわざファントムのところへクリスティーヌは戻ってきて、ファントムに付いて行くのかと思ったら、指輪をファントムに返していた。そんな思わせぶりなところがさすがクリスティーヌだなと改めて思う。

最後のシーンは舞台版にはなく、映画版だけのものだが、なんとクリスティーヌの墓がある。驚いた。そんなものが出てくるとは。さらに驚いたことに、墓の横にはぽつんと一輪のバラが置いてある。しかも、クリスティーヌがファントムと別れたときのあの指輪が茎に通されている。恐るべしファントム。

2万個のクリスタルガラスを使用したというシャンデリアの落下シーンはあれはあれでよかったけど、映画なのだからもっと派手にやって欲しかったと思う。ファントムがなぜオペラ座にいるかという理由が映画ではしっかりと描かれている。残念ながらそのせいでファントムの怪しさが少し減少したような気がする。

こちらにも映画『オペラ座の怪人』のレビュー・批評・感想があります。
「あ」嬢の別宅。ただいま準備中。
四季の隠れ家
ネタバレ映画館
オペラ座の怪人@映画生活


映画『オペラ座の怪人』の関連商品です。
オペラ座の怪人 DVD
オペラ座の怪人 この映画『オペラ座の怪人』のDVDの発売日はまだ決まっていませんが、お気に入りでしたらリンク先のamazonから発売日のお知らせメールを受け取ることもできます。
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サウンドトラックは3種類あります。
The Phantom of the Opera (Original Motion Picture Soundtrack) (Special Edition)
Simon Lee Alison Skilbeck Chris Overton Ciaran Hinds
The Phantom of the Opera (Original Motion Picture Soundtrack)こちらは映画『オペラ座の怪人』のオリジナルサウンドトラックですが、輸入盤になります。

「オペラ座の怪人」 オリジナル・サウンドトラック
サントラ エミー・ロッサム パトリック・ウィルソン ジェラルド・バトラー

「オペラ座の怪人」 オリジナル・サウンドトラック(初回生産限定盤)
サントラ エミー・ロッサム パトリック・ウィルソン ジェラルド・バトラー
「オペラ座の怪人」 オリジナル・サウンドトラック(初回生産限定盤)売り切れで手に入らないかもしれませんが、紹介しておきます。マーケットプレイスでかなり高額になっていることも・・・・・・。

映画を観たあとにさらにこの一冊はいかがですか?
オペラ座の怪人パーフェクトガイド
日経エンタテインメント!
オペラ座の怪人パーフェクトガイド内容充実のパーフェクトガイドです。

原題:Die Geschichte vom weinenden Kamel
蒙題:Ingen numsil
英題:The Story of the Weeping Camel
監督:ビャンバスレン・ダヴァー、ルイジ・ファロルニ
製作:2003年、ドイツ
上映時間 91分
『らくだの涙』公式サイト(壁紙もあります。)
『らくだの涙』を上映している映画館は?

ストーリー
モンゴルの遊牧民族の一家はひつじ、やぎ、そしてらくだなどの家畜と共に過ごしている。らくだの出産時期のころ、ある一頭の初産のらくだは白いらくだを産む。しかし、出産が難産だったためだろうか、母らくだは子らくだにミルクを与えなかった。そのままでは、子らくだは次第に弱って死んでしまうことに。そこで心配な家族は音楽療法を行おうとする。

レビュー
子らくだを避け、時には子らくだを足蹴りする母らくだのようすが撮影されている。動物を相手にこうもタイミングよく撮れるものではないと思う。

遊牧民の日々の営みを映画のスクリーンで目にすることは珍しかった。モンゴルの大地でのんびり過ごすのもいいなあと思ったが、時には砂嵐吹き荒れる厳しい自然を見ると、決してのんびりと過ごして生きていけるわけではないのだと思わずにはいられない。

母らくだに避けられる子らくだがどうなっていくかにやきもきしてしまう。最後には音楽の持つ力に驚かずにはいられない。音楽は人だけでなく動物にも訴える力があることを感じた。とても素朴でシンプルな映画。忙しい日々を忘れて、モンゴルの大自然とかわいい動物と素朴な人々の営みを観るのも時にはいいかもしれない。(2005年1月31日サロンシネマで鑑賞)

追記
この映画はモンゴルの映画かと思いきや、ドイツの映画作品だった。監督のビャンバスレン・ダヴァーとルイジ・ファロルニはそれぞれモンゴル人とイタリア人であり、この作品はその二人のミュンヘン映像映画大学卒業制作作品ということだ。

馬頭琴奏者を呼ぶために幼い兄弟は県庁までラクダに乗ってお使いにいくシーンがあるが、お使いというより旅みたいなスケールなのでお使い一つとっても大変だし悠久なものを感じさせてくれる。また、お使いから帰ってくる兄弟を双眼鏡で確かめるシーンにモンゴルらしさがあふれていると思った。

監督:井筒和幸
脚本:羽原大介、井筒和幸
音楽:加藤和彦
出演:塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、楊原京子、尾上寛之
製作:2004年、日本
上映時間:119分
『パッチギ!』公式サイト
『パッチギ!』を上映している映画館は?
『パッチギ!』井筒和幸 監督独占インタビュー

ストーリー
時代はいまから37年前の1968年、場所は京都での物語。日本人高校生と争いの絶えない朝鮮学校の生徒はバスを倒すなどの騒ぎを起こしていた。決して平穏ではないそのような状況の中、府立東高校2年生の松山康介(塩谷瞬)は担任教師(光石研)に朝鮮学校へ行き親善サッカーを申し込むように言われ、親友の小出紀男(小出恵介)と共に朝鮮学校へ出かける。

レビュー
はっきり言ってはじめはすんごいコワイ映画だと思った。しょっちゅう派手なケンカが展開されるが次第にそのシーンもなんとか見慣れていく。当時このようなケンカがしょっちゅうあったかどうかわからないが、このようなケンカは1968年の時代が持つエネルギーを象徴しているとも言えよう。そう、周りは1968年に満ちているらしい。私は'74年生まれなのでそのことを断言はできないけれど、当時を過ごした人がこの映画を観れば、時代背景を描いたシーンごとに懐かしい思い出が蘇るだろう。

朝鮮学校でたまたまとキョンジャ(沢尻エリカ)と出会った康介は彼女に一目ぼれ。しかし、康介の心の中、キョンジャの心の中、そして周りの人たちの心の中には民族の壁があった。ついでにキョンジャの兄アンソン(高岡蒼佑)は朝鮮学校の番長だ。民族の壁をどのように克服して康介の一目ぼれがどのようになっていくかというところがみどころだ。

キョンジャの気持ちを少しでも自分に向けるためフォークギターを手にした康介は朝鮮半島南北統一を願う象徴の歌、「イムジン河」の練習をする。はじめは素っ気なかったキョンジャも朝鮮語まで学習する康介に少しずつ心を開いていく。やはり母国語の持つ力は大きいものがあると実感させられた。

涙あり、笑いありの青春物語は「イムジン河」に始まり「イムジン河」に終わるといった感じだ。最後は感動を与えるためにやや安易な手段と思われかねない方法が見られないわけでもなかったが、当時を知る人も知らない人も若手俳優たちの熱いハートを感じることができる力の入った作品だ。(2005年1月29日サロンシネマで鑑賞)

追記(注意:ネタバレ含みます。)
個人的にはオダギリジョーが演じる坂崎が気に入った。あのサイケなヒッピーぶりが面白かった。まさか酒屋の兄ちゃんがあんなふうになるとは。最後には康介の真っ直ぐな気持ちがキョンジャに伝わって結ばれていく。なのに、「あの素晴らしい愛をもう一度」がエンディングで流れる。二人の恋愛に限って見ればその歌詞内容は合っていないと思うのは私だけだろうか。

この映画では日本人と朝鮮人の間にある歴史的な内容をいろいろと扱っているため、「左寄りだ」とか「自虐的な歴史観に立っている」などという声もある。このような問題はそう単純な物事ではないのでだが、参考までにあるブログを紹介させていただきたい。現在在日朝鮮人(韓国籍)三世の方のブログ、コリアン・ザ・サードにはその方ならではの立場ならではの物事が書かれてる。興味のある方は御一読を。

こちらにも『パッチギ』のレビュー・批評・感想があります。
GROOVY GROOVERS
ネタバレ映画館
ある在日コリアンの位牌
パッチギ!@映画生活


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パッチギ! DVD
パッチギ! 現在『パッチギ!』のDVDの発売は未定です。決まり次第お知らせいたします。
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パッチギ! オリジナル・サウンドトラック(サントラ)
ザ・フォーク・クルセダーズ
ザ・フォーク・クルセダーズの伝説の名曲「イムジン河」を含む22曲が収録されています。

パッチギ! ノベライズ本
朝山 実
この映画にまつわるさまざまなエピソードが描かれています。

やさしい嘘やさしい嘘
原題:Depuis qu'Otar est parti...
監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
脚本:ジュリー・ベルトゥチェリ、ベルナール・レヌッチ
出演:エステル・ゴランタン、ニノ・ホマスリゼ、ディナーラ・ドルカーロワ
製作:2003年、フランス/ベルギー
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『やさしい嘘』公式サイト
『やさしい嘘』を上映している映画館は?

ストーリー
グルジアでエカおばあちゃん(エステール・ゴランタン)は娘のマリーナ(ニノ・ホマスリゼ)と孫娘のアダ(ディナーラ・ドルカーロワ)との三人で暮らしている。そんなおばあちゃんの日々の暮らしの中で一番の楽しみは、パリにいる息子のオタールからの手紙をアダにフランス語で読んでもらうこと。ある日、マリーナが電話をとると、それはオタールが事故に遭ったとの連絡だった。

レビュー
ある日オタールの悲しい知らせを知ったアダとマリーナはそのことをエカおばあちゃんが知れば悲しむと思い、アダがオタールの筆跡をまねてフランス語で亡くなったオタールからの手紙を書き続ける。嘘で周りに変化が起きていないように取り繕うといった点では映画『グッバイ、レーニン!』が少し頭に思い浮かぶ。

グルジアを舞台に製作されたこの映画はおそらく日本人がほとんど目にすることのないグルジアがあふれている。遅々として進まない郵便業務のようす、一見廃墟のようなアパート群、年季の入った自動車、頻繁に発生する停電や断水だけでなく、そして男手のいないエカおばあちゃん家もまたそういったグルジアの一部なのだ。そんなグルジアの様子が垣間見れるところもこの作品の興味深いところ。

エカおばあちゃんは少しマリーナに素っ気ない態度をとったりするところからもわかるように決して仲良しな三人暮らしではない。しかし、アダとマリーナによる巧みな「やさしい嘘」が家族の絆を以前よりも強固にしているようだった。国のインフラが整備不足だったり、若者が未来に明るい希望を抱けるような状況ではなさそうだったが、家族の周りの人たちは温かい人が多くて世界中の先進国に豊かさとは何かを訴えているようだ。

映画も終わりのころ、パリでの三人の行動は実にさわやかで家族三人のやさしさがすべて伝わってくる温かいシーン。最後おばあちゃんがあらゆる物事を理解して娘と孫娘に示したやさしさとユーモアと強さにきっと多くの人が感動するだろう。その時、「やさしい嘘」は実に奥行き深いものになってゆく。(2005年1月29日サロンシネマで鑑賞)

追記(注意:ネタバレ含みます。)
この映画はグルジアの首都トリビシを舞台にしている。三人家族のうちグルジア人はマリーナ役のニノ・ホマスリゼだけで、エカおばあちゃん役のエステール・ゴランタンはポーランド出身で、アダ役のディナーラ・ドルカーロワはサンクト・ペテルブルグ出身である。言い換えれば、日本を舞台に日本人と韓国人と中国人の三人が日本人家族として出演する邦画を作るようなものだろうか。でも、日本人の目から見れば、これこそがグルジアなのだと思ってしまう。

どうでもいいことだけど、アダがフランス語の通訳をした時の賃金が5ラリ(2004年12月末時点1ラリ=58.45円)なので日本円で300円弱ほどの賃金。おばあちゃんが医者に診てもらった時の報酬が100ラリなので約6000円ということになる。医者はどの国でも高額な報酬が必要なようだ。おそらくグルジアで100ラリはかなり高額だろうという気がする。

ところでよく覚えていないところがあり、エカおばあちゃんの誕生日パーティーの時、おばあちゃんは電話をオタールからと思って取ったけれど、あの電話は何だったのだろうか?(もし、わかる方がいれば教えてください。)

エカおばあちゃんの「やさしい嘘」は年齢を重ねた人だけが伝えることのできる感動を与えてくれる。そう、オタールはアメリカへ行ったんだと私も思うよ……。ちなみに85歳でこのおばあちゃんは女優デビューというから驚きだ。昨年91歳になった彼女は来日してえなりかずきと対談している。( そのときの様子はこちら、HUIT NEWSより

この映画の終わりではアダは一人だけフランスに居残ることを決意して家族と別れる。私はこういう旅立ちでる終わる映画はなんだかいいなあと思ってしまう。きっと彼女は名刺をくれたフランス人のところを尋ねるのだろう。

こちらにも『やさしい嘘』のレビュー・批評・感想があります。
やさしい嘘@映画生活
銀のお皿に、金の嘘 due
るるる的雑記帳
うたたねの毎日

スパイ・バウンド
原題:AGENTS SECRETS
監督:フレデリック・シェンデルフェール
音楽:ブリュノ・クーレ
出演:モニカ・ベルッチ、ヴァンサン・カッセル、アンドレ・デュソリエ、シャルル・ベルリング、ブルーノ・トデシーニ
製作:2004年、フランス/イタリア/スペイン

『スパイ・バウンド』公式サイト
『スパイ・バウンド』を上映している映画館は?

ストーリー
フランス情報機関DGSE(対外治安総局)のスパイであるリザ(モニカ・ベルッチ)とジョルジュ(ヴァンサン・カッセル)は武器密輸船爆破の指令を受ける。二人は仲間と共にモロッコで「ヤヌス」作戦を開始する。ところがアメリカ領事館員を名乗る男はその計画を中止することを要求して来る。

レビュー
この映画は実際の事件、「虹の戦士号」爆破事件に関わっていた女スパイ、ドミニク・プリウールの証言に基づいて製作されているという。実際の事件はグリーンピースの船の破壊が、映画では武器密輸船の破壊になったりしていて。オリジナルの事件とはいろいろ変更されている。

残念なことに、この作品ではトム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル』のようなドキドキハラハラするような展開はあまりない。なぜなら、『ミッション:インポッシブル』の場合何らかの作戦行動に出るとき、かなりぎりぎりまで敵陣近くで実行しているのに対し、『スパイ・バウンド』においてはスパイたちはそういうわけではないからだ。『スパイ・バウンド』の方が実際の活動スタイルに近いのだろうという気はする。

この作品からスパイ人生の過酷さはよく伝わってきた。エンタテイメント性をそれほど求めずに実際のスパイ活動の一面を覗いてみたい人にはいろいろと楽しめるのではないだろうか。(2005年1月28日広島スカラ座で鑑賞)

追記
人間関係の把握がしづらく、一度鑑賞しただけではわからない部分が他の映画よりも多かったところが私にとってこの映画に乗り切れなかった理由の一つ。同様にそのような方には、こちらのリンク( CINEMA TOPICS ONLINE 作品紹介『スパイ・バウンド』)でストーリーの詳細を確認できる。実はそれを熟読してから観るほうがこの作品は楽しめるかもしれない。

図書館でちょっと見たキネマ旬報の記事によると、まだまだ作品で必要性があれば「私は脱ぐわ」というようなことをモニカ・ベルッチは言っている。その言葉には彼女自身のヌードに対する自信も伺える。そして、彼女自身に子供が生まれたけれど仕事は変わらないというようなスタンスだった。自信を持ってヌードになれるってすごいなあと思う。

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