EVERSMILE(エバースマイル)
映画の紹介文、コメント、ショートレビュー的な雑文を書いています。何かの参考になれば幸いです。
200501<< 12345678910111213141516171819202122232425262728 >>200503
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:--| スポンサー広告| トラックバック(-) コメント(-)

やさしい嘘やさしい嘘
原題:Depuis qu'Otar est parti...
監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
脚本:ジュリー・ベルトゥチェリ、ベルナール・レヌッチ
出演:エステル・ゴランタン、ニノ・ホマスリゼ、ディナーラ・ドルカーロワ
製作:2003年、フランス/ベルギー
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

『やさしい嘘』公式サイト
『やさしい嘘』を上映している映画館は?

ストーリー
グルジアでエカおばあちゃん(エステール・ゴランタン)は娘のマリーナ(ニノ・ホマスリゼ)と孫娘のアダ(ディナーラ・ドルカーロワ)との三人で暮らしている。そんなおばあちゃんの日々の暮らしの中で一番の楽しみは、パリにいる息子のオタールからの手紙をアダにフランス語で読んでもらうこと。ある日、マリーナが電話をとると、それはオタールが事故に遭ったとの連絡だった。

レビュー
ある日オタールの悲しい知らせを知ったアダとマリーナはそのことをエカおばあちゃんが知れば悲しむと思い、アダがオタールの筆跡をまねてフランス語で亡くなったオタールからの手紙を書き続ける。嘘で周りに変化が起きていないように取り繕うといった点では映画『グッバイ、レーニン!』が少し頭に思い浮かぶ。

グルジアを舞台に製作されたこの映画はおそらく日本人がほとんど目にすることのないグルジアがあふれている。遅々として進まない郵便業務のようす、一見廃墟のようなアパート群、年季の入った自動車、頻繁に発生する停電や断水だけでなく、そして男手のいないエカおばあちゃん家もまたそういったグルジアの一部なのだ。そんなグルジアの様子が垣間見れるところもこの作品の興味深いところ。

エカおばあちゃんは少しマリーナに素っ気ない態度をとったりするところからもわかるように決して仲良しな三人暮らしではない。しかし、アダとマリーナによる巧みな「やさしい嘘」が家族の絆を以前よりも強固にしているようだった。国のインフラが整備不足だったり、若者が未来に明るい希望を抱けるような状況ではなさそうだったが、家族の周りの人たちは温かい人が多くて世界中の先進国に豊かさとは何かを訴えているようだ。

映画も終わりのころ、パリでの三人の行動は実にさわやかで家族三人のやさしさがすべて伝わってくる温かいシーン。最後おばあちゃんがあらゆる物事を理解して娘と孫娘に示したやさしさとユーモアと強さにきっと多くの人が感動するだろう。その時、「やさしい嘘」は実に奥行き深いものになってゆく。(2005年1月29日サロンシネマで鑑賞)

追記(注意:ネタバレ含みます。)
この映画はグルジアの首都トリビシを舞台にしている。三人家族のうちグルジア人はマリーナ役のニノ・ホマスリゼだけで、エカおばあちゃん役のエステール・ゴランタンはポーランド出身で、アダ役のディナーラ・ドルカーロワはサンクト・ペテルブルグ出身である。言い換えれば、日本を舞台に日本人と韓国人と中国人の三人が日本人家族として出演する邦画を作るようなものだろうか。でも、日本人の目から見れば、これこそがグルジアなのだと思ってしまう。

どうでもいいことだけど、アダがフランス語の通訳をした時の賃金が5ラリ(2004年12月末時点1ラリ=58.45円)なので日本円で300円弱ほどの賃金。おばあちゃんが医者に診てもらった時の報酬が100ラリなので約6000円ということになる。医者はどの国でも高額な報酬が必要なようだ。おそらくグルジアで100ラリはかなり高額だろうという気がする。

ところでよく覚えていないところがあり、エカおばあちゃんの誕生日パーティーの時、おばあちゃんは電話をオタールからと思って取ったけれど、あの電話は何だったのだろうか?(もし、わかる方がいれば教えてください。)

エカおばあちゃんの「やさしい嘘」は年齢を重ねた人だけが伝えることのできる感動を与えてくれる。そう、オタールはアメリカへ行ったんだと私も思うよ……。ちなみに85歳でこのおばあちゃんは女優デビューというから驚きだ。昨年91歳になった彼女は来日してえなりかずきと対談している。( そのときの様子はこちら、HUIT NEWSより

この映画の終わりではアダは一人だけフランスに居残ることを決意して家族と別れる。私はこういう旅立ちでる終わる映画はなんだかいいなあと思ってしまう。きっと彼女は名刺をくれたフランス人のところを尋ねるのだろう。

こちらにも『やさしい嘘』のレビュー・批評・感想があります。
やさしい嘘@映画生活
銀のお皿に、金の嘘 due
るるる的雑記帳
うたたねの毎日

スポンサーサイト

copyright © 2004 Powered By FC2 allrights reserved
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。