EVERSMILE(エバースマイル)
映画の紹介文、コメント、ショートレビュー的な雑文を書いています。何かの参考になれば幸いです。
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やさしい嘘やさしい嘘
原題:Depuis qu'Otar est parti...
監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
脚本:ジュリー・ベルトゥチェリ、ベルナール・レヌッチ
出演:エステル・ゴランタン、ニノ・ホマスリゼ、ディナーラ・ドルカーロワ
製作:2003年、フランス/ベルギー
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『やさしい嘘』公式サイト
『やさしい嘘』を上映している映画館は?

ストーリー
グルジアでエカおばあちゃん(エステール・ゴランタン)は娘のマリーナ(ニノ・ホマスリゼ)と孫娘のアダ(ディナーラ・ドルカーロワ)との三人で暮らしている。そんなおばあちゃんの日々の暮らしの中で一番の楽しみは、パリにいる息子のオタールからの手紙をアダにフランス語で読んでもらうこと。ある日、マリーナが電話をとると、それはオタールが事故に遭ったとの連絡だった。

レビュー
ある日オタールの悲しい知らせを知ったアダとマリーナはそのことをエカおばあちゃんが知れば悲しむと思い、アダがオタールの筆跡をまねてフランス語で亡くなったオタールからの手紙を書き続ける。嘘で周りに変化が起きていないように取り繕うといった点では映画『グッバイ、レーニン!』が少し頭に思い浮かぶ。

グルジアを舞台に製作されたこの映画はおそらく日本人がほとんど目にすることのないグルジアがあふれている。遅々として進まない郵便業務のようす、一見廃墟のようなアパート群、年季の入った自動車、頻繁に発生する停電や断水だけでなく、そして男手のいないエカおばあちゃん家もまたそういったグルジアの一部なのだ。そんなグルジアの様子が垣間見れるところもこの作品の興味深いところ。

エカおばあちゃんは少しマリーナに素っ気ない態度をとったりするところからもわかるように決して仲良しな三人暮らしではない。しかし、アダとマリーナによる巧みな「やさしい嘘」が家族の絆を以前よりも強固にしているようだった。国のインフラが整備不足だったり、若者が未来に明るい希望を抱けるような状況ではなさそうだったが、家族の周りの人たちは温かい人が多くて世界中の先進国に豊かさとは何かを訴えているようだ。

映画も終わりのころ、パリでの三人の行動は実にさわやかで家族三人のやさしさがすべて伝わってくる温かいシーン。最後おばあちゃんがあらゆる物事を理解して娘と孫娘に示したやさしさとユーモアと強さにきっと多くの人が感動するだろう。その時、「やさしい嘘」は実に奥行き深いものになってゆく。(2005年1月29日サロンシネマで鑑賞)

追記(注意:ネタバレ含みます。)
この映画はグルジアの首都トリビシを舞台にしている。三人家族のうちグルジア人はマリーナ役のニノ・ホマスリゼだけで、エカおばあちゃん役のエステール・ゴランタンはポーランド出身で、アダ役のディナーラ・ドルカーロワはサンクト・ペテルブルグ出身である。言い換えれば、日本を舞台に日本人と韓国人と中国人の三人が日本人家族として出演する邦画を作るようなものだろうか。でも、日本人の目から見れば、これこそがグルジアなのだと思ってしまう。

どうでもいいことだけど、アダがフランス語の通訳をした時の賃金が5ラリ(2004年12月末時点1ラリ=58.45円)なので日本円で300円弱ほどの賃金。おばあちゃんが医者に診てもらった時の報酬が100ラリなので約6000円ということになる。医者はどの国でも高額な報酬が必要なようだ。おそらくグルジアで100ラリはかなり高額だろうという気がする。

ところでよく覚えていないところがあり、エカおばあちゃんの誕生日パーティーの時、おばあちゃんは電話をオタールからと思って取ったけれど、あの電話は何だったのだろうか?(もし、わかる方がいれば教えてください。)

エカおばあちゃんの「やさしい嘘」は年齢を重ねた人だけが伝えることのできる感動を与えてくれる。そう、オタールはアメリカへ行ったんだと私も思うよ……。ちなみに85歳でこのおばあちゃんは女優デビューというから驚きだ。昨年91歳になった彼女は来日してえなりかずきと対談している。( そのときの様子はこちら、HUIT NEWSより

この映画の終わりではアダは一人だけフランスに居残ることを決意して家族と別れる。私はこういう旅立ちでる終わる映画はなんだかいいなあと思ってしまう。きっと彼女は名刺をくれたフランス人のところを尋ねるのだろう。

こちらにも『やさしい嘘』のレビュー・批評・感想があります。
やさしい嘘@映画生活
銀のお皿に、金の嘘 due
るるる的雑記帳
うたたねの毎日

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コメント
この記事へのコメント
はじめまして
今日サロンシネマで『やさしい嘘』観てきました。あの電話はオタールの友人のニコでしょう。「近いうちにお邪魔します」とかだったのでは?おばあちゃんは聞き取れなくてラッキーでした。
かわいいおばあちゃんが出ているほのぼのした映画とだけ予想していたのですが、ラストが良かったですね。

もしかしたら映画館で一緒になったことがあるかもしれませんね。またここに時々寄らせてください。
2005/02/11(金) 21:50:28 | URL | keikomama #-[ 編集]
keikomamaさんへ
はじめまして、keikomamaさん。
お答えのコメントありがとうございます。

サロンシネマで『やさしい嘘』を観られたのですね。サロンシネマいいですよね。椅子の大きさは最高ですね。でも、足元が寒かったりするのがちょっと×なので防寒対策が必要だったりします。

電話の内容、どうもありがとうございます。そう思うととても話がつながります。ニコは突然やってきたわけではなくおそらく電話をしていたのですね。そして、あのすがすがしくもすこしキュンとくるようなラストもよかったです。

たしかにもうすでに映画館で知らずにすれ違ったりしているかもしれませんね。またいつでもお立ち寄りください。先日、『火火(ひび)』の試写会に行ってきました。いい映画でした。不覚にも泣いてしまいました。そういうことは滅多にない私が泣いてしまう映画です。また近いうちに記録をアップします。
2005/02/12(土) 00:07:50 | URL | NOV #S4LeXHcY[ 編集]
NOVさん、こんばんは~☆
お久しぶりです!!

この映画、未だに見ていませんが
グルジアが舞台の映画なんですね。
グルジアと言っても風景もあまり
浮かんで来ない私ですが(汗)
通訳のお金が300円でお医者さんの
お金が6000円とは!!
やはりどの国でも医者にかかるのは
高額なんですね~。

そしてこのエカおばあちゃん役の
方は、85歳で映画デビュー、
91歳で来日とはすごいですね!!
NOVさんのコメントの通り、年齢を
重ねた方だけが出せるやさしさや
内面からにじみ出てくるものも
あるのでしょうね。

見てみたいなぁと思いました。
2005/02/24(木) 01:52:46 | URL | Coo #dw0Pd3Jw[ 編集]
はじめまして
知らなかったです、三人はみんな国が違ってたんですね(^-^;;

でもすごい暖かくなる良い映画でした。
2005/02/24(木) 13:34:45 | URL | とりうち #-[ 編集]
Cooさんへ
こんばんは。お久しぶりです。

東京は寒いですか?広島はみぞれが降るくらい寒かったです。

映画ではグルジアの政治・経済の混迷ぶりも表れていました。ぜひ映画館でと言いたいのですが、ギンレイホールでは今日が最後の上映みたいですね。ぜひ、機会あればご覧になってください。
2005/02/25(金) 01:58:14 | URL | NOV #-[ 編集]
とりうちさんへ
はじめまして。コメントどうもありがとうございます。

三人とも国が違っていたんです。でも、日本人が見てもなかなかそんなことには気付かないでしょうね。

寒い冬に心をじんわりと温めてくれるいい映画でした。
2005/02/25(金) 02:03:42 | URL | NOV #-[ 編集]
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「やさしい嘘」を観ました(本家・fab*funにもup、レビューは毎度微妙に中身が違います)。
2005/02/05(土) 17:37:49 | るるる的雑記帳
監督:ジュリー・ベルトゥチェリ主演:エステール・ゴランタン/ニノ・ホマスリゼ/ディナーラ・ドルカーロワ ('03フランス=ベルギー)グルジアの女3世代の家族。パリにいる息子オタールからの手紙を楽しみにしているエカおばあちゃんのために、彼が死んでしまったこと
2005/02/11(金) 21:28:06 | Favorite
監督:ジュリー・ベルトゥチェリ主演:エステール・ゴランタン=======廃墟のような建物、不安定な電力、止まってしまうシャワー、切れ切れの電話。グルジアって、こんな国だったのか…お年寄りを侮ってはいかん“さあ、パリを見物しましょう”h
2005/02/19(土) 13:49:53 | 火星の人類学者
やはり,忙しいときに,つい映画を観てしまう。『やさしい嘘』である。旧ソ連の小さな国グルジアが舞台。老婆エカ(エステール・ゴランタン),その娘マリーナ(ノニ・ホマスリゼ),孫娘アダ(ディナーラ・ドルカーロワ)の三世代が,それぞれの世界を背負いながら,現
2005/02/21(月) 22:47:48 | ハードでルーズな生活
岡山では最新でも、全国ではそうでもない最新映画の話しグルジアという国の厳しい生活環境の中で生活する女性達の話しなんですが、女の人たちがとても強いんですね国全体で女性が男より強いみたいですね、男女関係を見ていたら母も子もお祖母さんも男には強い態度で、しかも
2005/02/24(木) 13:36:23 | 鳥打さん家の美味しい日記
>やさしい嘘コピーを目にした瞬間に、胸をギュッと締めつけられるような感覚にとらわれて、ポロポロと涙をこぼしてやしないかと心配になって思わず目頭を押さえてしまった。たった一息で、ポツリと呟けてしまう一言。だけど自分に取ってその一言は途轍もないかけがえの無さ
2005/03/13(日) 02:55:11 | TRUE-TIME WEB-LOG
泣ける映画です。舞台はグルジア。フランスにいる息子が生きがいのおばあちゃん。でもその息子が死んでしまった時、娘と孫は真実が告げられず、息子の代わりに嘘の手紙を書き続けます。映画「山の郵便配達」にも来ない手紙を待ってる人に、さも手紙が来たように読んであげる
2005/07/29(金) 20:32:38 | cinema note+

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