『コーラス』を上映している映画館は?
『コーラス』ジャン=バティスト・モニエ少年独占インタビュー - FLiXムービーサイト
フランスで『アメリ』の観客動員数を塗り替え870万人以上を動員というもの凄い記録を打ち立てた感動作『コーラス』。サウンドトラックも何百万枚も売れに売れているとか。『ニュー・シネマ・パラダイス』のジャック・ペランが製作・出演していることも多くの方がご存知と思います。さらにジャック・ペランの愛息子マクサンスもペピノ役で出演。親子で映画出演できるとはうらやましい限りです。また、ジャック・ペランの甥、クリストフ・バラティエが監督をしています。『コーラス』は先週の土曜日より公開されましたが、期待している方もたくさんいらっしゃることでしょう。
世界的な指揮者ピエール・モランジュ(ジャック・ペラン)は母親の訃報を聞き故郷のフランスへ帰る。故郷へ戻ったピエールは50年ぶりに幼き時代を共に過ごした友人ペピノ(ディディエ・フラマン)と出会う。ペピノは一冊の日記をピエールに手渡す。その日記は音楽教師、クレマン・マチュー(ジェラール・ジュニョ)の形見だった。幼き日々の記憶がマチュー先生の日記を読むピエールの脳裏に蘇る。
フランスの田舎町にある「池の底」寄宿舎という名の寄宿学校に音楽教師のクレマン・マチューは舎監として赴任する。親を戦争で失った子や、素行に問題があるとみなされた子らがそれぞれの事情を抱えて寄宿舎での日々を過ごしていた。マチューは赴任早々さまざまなトラブルに遭遇する。マチューは校長(フランソワ・ベルレアン)の教育方針には疑問を感じていた。マチューはコーラス団を組み合唱の練習をスタートする。そして、ある日マチューは素晴らしい歌声を耳にする。それは学校で一番の問題児と言われていたピエール・モランジュ(ジャン=バティスト・モニエ)の歌声だった。
フランスで観客動員記録更新にも納得の作品。そしてさわやかな涙がこぼれそうになります。多くの人に「ぜひぜひ観てよ」と言いたくなりました。とにかく心に響きます。感動します。大満足でした。泣いてしまう人もいっぱいいるでしょう。少し感情的になってしまいましたが、この映画を観た人なら私の気持ちわかって頂けると確信しています。
ストーリーそのものはかなりシンプルです。特に奇をてらうことなくよどみなくストーリーは展開していきます。フランス映画によくあるわかりにくいところや理解不能なものはほとんどありません。本当にフランス映画だろうかと思うほど多くの人に受け入れられそうな仕上がりです。よくある手法ですが、過去を回想するシーンで映画の本編は始まります。この映画『コーラス』の力のひとつはやはり作品中のコーラスそのものにあると思います。このコーラスは「サン・マルク少年少女合唱団」のものです。また映画には実際に「サン・マルク少年少女合唱団」のソリスト、ジャン=バティスト・モニエが出演しています。少年たちのコーラスの歌声を聴けば、ピュアで一点の曇りも無いさわやかな感覚になってしまいます。そう感じずにはいられない歌声です。コーラスを聴いてそんなふうに思ったのは初めてのような気がします。
マチュー先生と子どもたちの距離感が次第に変化していくところが印象的です。はじめはかたくなで心を閉ざした少年たちでしたが、コーラスにやりがいを感じると次第にマチュー先生に心を開いていきます。子どもたちの様子も変わると周りの先生たちの様子も変わっていきます。作品中で歌われるコーラスはまさに子どもの心そのものです。途中で札付きの不良役のモンダン(グレゴリー・ガティニョール)が登場しますが、モンダン役の少年の演技はかなり迫真なものがあると感じました。それもそのはず、彼は実際に青少年更生施設に入所している少年だそうで、監督は少年の担当判事の反対を押し切って少年を出演させたそうです。
映画のラストでは素晴らしい感動がこみ上げてきます。子ども一人一人に対するとても温かいマチュー先生の眼差しを感じました。どんな場面かはここでは書きませんが作品をまだ観てないみなさんにはじっくりと味わってもらいたいです。実は私はここで少し涙がこぼれました。
映画『コーラス』では、両極端な教育スタイルが描かれています。校長の教育方針とマチュー先生の教育方針です。校長先生のそれはもはや教育とは呼べない印象すらありましたが、そうせざるを得ない状況だったのでしょうか。教育関係者や子を持つ親たちはもちろんですが多くの人々にとって大変興味深い内容です。教育関係者の方々にとっては、私が感じるようなこととはまた別の深いものを感じるのではないでしょうか。ところで「池の底」寄宿舎ってなかなか変わった名前ですね。日本だとありえない名称だと思いました。映画を観られたみなさん、いかがでしたか。よろしければコメント、トラックバックぜひ残していってください。(2005年4月9日シネツイン1で鑑賞♪)
ここから先はネタバレがあります。
最後は寄宿舎が火事になる展開でしたが、誰が放火したかあからさまでしたね。冤罪で寄宿舎を追い出された少年モンダンが放火したみたいでしたが、私はもう少し誰がしたんだろうなと観客に思わせたままでも良かったと思うのです。みんな寄宿舎の子どもたちはみんな外出していたから、比較的容易に犯人の想像がつくと思います。ちょっとお節介なワンシーンに私には感じられました。
紙飛行機いっぱいのラストシーンはやられました。子どもたちとマチュー先生の温かい心のつながりが具体的に表れたシーンです。感情にダイレクトに訴える力が最も強いシーンでした。教育の仕事をする者として当たり前なのかもしれませんが、紙飛行機に書かれた文字をみて子どもたちの名前がすぐにわかるマチュー先生がとても素敵でしたね。
コーラス@映画生活にもレビュー・批評・感想があります。
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原題:Les Choristes
監督:クリストフ・バラティエ
脚本:クリストフ・バラティエ、フィリップ・ロペス=キュルヴァル
音楽:ブリュノ・クーレ、クリストフ・バラティエ
出演:ジェラール・ジュニョ、フランソワ・ベルレアン、ジャン=バティスト・モニエ、ジャック・ペラン、マリー・ブネル
製作年度:2004年
製作国:フランス
上映時間:97分
オススメ!!映画『コーラス』のサウンドトラックのご案内
コーラス サウンドトラック(サントラ)
サン・マルク少年少女合唱団の歌う天使の歌声。買って手元に置いておきたい一枚です。(国内盤)
Les Choristes [Original Soundtrack]
こちらは輸入盤(US)のサウンドトラックです。国内盤よりもお求め安い価格になっています。リンク先で試聴もできますよ♪
フランスのこの年代に少年時代を過ごした方にはたまらない作品なのかなと想像してしまいます。自由がある意味無い時代だからこそ、ああいう
ささやかな希望の光が見える瞬間がより美しく感じられるのかなと映画を観ていて思いました。
モンダン少年が実際に更正施設にいる子というのはこちらで始めて知りました。鬼気迫るものがあったので;;子供達がみんな美少年じゃないのもリアリティがあって良かったです^^
あ、映画未見の方には相応しくないコメントです。少し、行を空けさせてもらいます。
火事のシーンは、現場の大人たちも気づかないままの過失を、見る側は分かるのかな、と思ったデス。マチューは濡れ衣を着せられた少年の行く末を心配しましたが、結果、大人の勘違いで仕返しする方向にでた少年。更正できないまま、暗い道に進むのを予感させませんか。大人の過失を描いた場面だと思ったデス。演じたあの少年は、この映画に出ることによって、晴れ晴れとした新たな道が拓けると良いですね。あの映画の中の少年たちの誰もが真っ直ぐな明るい道に進んだとは思えない、そんな描き方に共感を覚えました。
あ、紙ひこうき、コレ、日本じゃ全部拾う様子を見せるんだろうな、と思ったデス。
忘れ去られる先生の存在、良かったですね。
ホント美しい映画でしたね。私にとってはもう一度また観たいと思う映画です。
モンダン少年は本当にそうらしいです。とても存在感があったのですごいなあと思っていたら実際に更生施設に入っている少年だとは驚きました。モンダン少年役の子もこの映画がきっかけになり更生できるといいなと思います。
吹き替えとはいえ美しいコーラスが素晴らしかったです。また、映画中で実際にソロで歌う少年、ジャン=バティスト・モニエがヨーロッパを魅了したということがよくわかりました。
この先ネタバレです、以下ご注意を。
放火は誰が犯人かは現場のものは気づいていないけれど、あえてあの場面を挿入したという事は観客にあの少年モンダンのことを印象付けたかったのでしょう。マチューは「大事なバリトンが」とモンダンのことを心配していましたね。更生できないまま、不運が積み重なっていきそうな予感がしますね。そして、報復を繰り返す。いちど不良のレッテルを貼られるとそこから逃れることの難しさ、大人の教育に対する理解の少なさとさまざまなものがありますね。
実際のモンダン役の少年の更生の道が本当に開けると私もいいなあと思いました。マチュー先生、素敵な先生でした。最後のヒコーキのシーン画はじまる前、「あーあ、このままバスに乗って帰るんだ」と思っていたら、ヒコーキのシーンがあったので感動しまくってしまいました。
自分も友達に勧めまくろうと思ってます。
ジャス様も周りの人にすすめてください。私もすすめています。でも、残念ながらなかなか映画館に行ってくれないんですよ。コーラス最高!ですよね。
ストーリーは単純だし、演出も演技も淡々としているところがまた良かった。「これでもか」というハリウッド映画は分かりやすい反面、どうしても浅いな~と思うことがあります。日本映画だと湿気が高くて「語りすぎ」がしつこかったりして・・・
隅々まで神経の行き届いていましたね。
あの語り過ぎないところが良いのですが、ハリウッド映画慣れしている方々にそれが理解してもらえるか心配です。
わたしも「コーラス」をひとりでも多くの方に観てもらいたくて、特集ページを作っています。この中の“映画評”のコーナーにこちらをリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?
面白いハンドルですね。
さわやかな感動がとても心地いい映画ですよね。『コーラス』はDVDになったら買いたい映画の一つです。
きっと多くのファンをこの映画『コーラス』は獲得することと思います。
実は大昔、それは小学生のころ、私はちょこっとコーラス部にいました。ちょっとそのころのことも思い出したりしました。あんな歌声は出せなかったけど。
貴サイトを拝見いたしました。管理人様の映画『コーラス』の感動がいかに大きかったかがわかります。
どうぞご自由にリンクしてください。
単なるリンクはもちろん引用もどうぞご自由に。
私のお気に入りのフィルムとなっとこの作品ですが、貴サイトを通じて多くの人に映画『コーラス』が伝わることを願っています。
今後ともよろしくお願いします。
とても嬉しく拝見いたしました。
そして、早速リンクさせていただきました。
こういった優しい映画が多くの人に愛されることを願っています。
先程慌てておりまして、メールにこちらの名前を書き忘れました。大変失礼いたしました。
「やられたらやりかえす」
悪徳校長が、彼の前で散々口にしてましたし、
冤罪のままの彼の処遇が気になっていたからです。
もちろん復讐したからっていいわけじゃありませんが。
あのモンダン役の彼がこの映画の出演を機に、本当に更生していけるといいなあって思いました(笑)
もちろん登場してもいいのですが、うまく説明できなくて申し訳ないのですが、『コーラス』の世界においてはある種の違和感を少し感じました。おそらく観客はなんでこんなに放火犯がはっきりわかるんだろうという違和感でしょうね。それでなんというか妙に浮いたような感じがしました。登場させるのならまず正体不明の人物が火をつけたあと走っているシーンを入れ、火事の場面へと移り、それからうっすらとその人物がモンダンとわかるような感じに仕上げると違和感は少なかったかもしれません。火をつけたのは多分あの少年だろうなと思わせるぐらいの仕上がりがいいなと思いました。
モンダン役の少年は不思議な縁でこの映画に出たことはきっと嬉しく感じていると思います。彼の人生に何らかの影響を及ぼすことは間違いないでしょう。より良く生きるきっかけとなればと私も思います。余談ですが、コーラスを歌うシーンには入れなかったけど、パンフレットの集合写真には一員として彼は入っていますね。
沢山のTB並びにコメントを頂き有り難う御座いました。
優しい先生と、実は素直で可愛い子供達の“歌”を通じての触れ合い。歌が良かった事はもちろんですが、決して派手ではなく、アースカラーっぽい色調とフランス語の柔らかな発音も+ポイントですかね。
今後とも、宜しくお願いします。
この映画『コーラス』は昔、TVでフジの小島アナが出ている夜の報道系番組ではじめて知りました。そのとき、他に『パッチギ!』と『ネバーランド』が紹介されていて、なっちゃんを含む3人とも『コーラス』を3番目にオススメ的発言をしていましたが、私はこれが一番好きですね。『コーラス』を観た観客のインタビューが番組内ではそのときありまして、観客の皆さんの満足そうな顔がとても印象的でした。その表情に偽り無しって感じだったので、これはかなりいいに違いないとその時思いました。そして、実際観たら、その予感は的中でした。画面のくすんだ色も良かったし、美しく儚く心にすうっと沁みこむ映画でした。こちらこそ今後ともよろしくお願いします。
アメブロ、メンテがあったりで、時間がうまく合わずに、遅くなってしまいました。
どうもTB有難うございました。当方がいきなり参りましてね、あ、そうだ、TBいただいていたお方がいらしたぞ!とばかりに実は駆け込んで参ったんです(苦笑)カンヌ映画祭が始まりましたが、フランス語???もダメ。実は弟は仏文科で教えているっちゅう身なのに当方は情けない身上デス。
あははは・・・。こんな情報、フランス語理解できたらサクサクいけるんだろうにな~デス。
カンヌ映画祭のバッシングの記事も見ました。情報源はネットですか?いつも情報収集が凄いなあと感心しています。カンヌのサイトも少し見てみました。あそこにモデルの高遠さんがいたらもっと面白いのに。
TBさせていただきます。